雲のすみっこ技術メモ

Google Cloud に関するあれこれを自由気ままに綴ります

Agent Development Kit (ADK) で作る マイ ファースト AI エージェント

2025年は AI エージェント元年なんて言われていて、すごく盛り上がりそうですよね!なんだか未来っぽくてワクワクするし、『この流れに乗り遅れたくない!』と思って、自分でも AI エージェントを作ってみようと考えたんです。でも、いざやろうとすると、『えっと…まず何から始めればいいの?』って、正直なところ、手がかりがつかめませんでした。

情報収集のために Google Cloud Next '25 の発表を見ていたところ、新しい Agent Development Kit(ADKで誰でも簡単に AI エージェントが作成できる、とのことでしたので、こちらを使って、初めての AI エージェントを作ってみたいと思います。

Agent Development Kit(ADK)について調べてみる

まずは Agent Development Kit(ADK)について調べてみました。Agent Development Kit(ADK)は、エージェントの挙動を正確に制御しながら、高度なマルチエージェントシステムの構築プロセスを簡素化するオープンソースフレームワークとのことです。ADKを使用すると、100 行未満の直感的なコードで AI エージェントを構築できるらしいです。

cloud.google.com

また導入ビデオを見て、Agent Development Kit(ADK)について学びました。このフレームワークが大事にしている考え方の1つは、AI エージェントの開発をソフトウェア開発のように感じられるようにすること、とのことです。

www.youtube.com

AI エージェント開発って、特別な知識がたくさん要りそうで難しそうなイメージでしたが、このフレームワークを使えば、普段やっているアプリ開発と同じような感覚でできるのかもしれないんですね。これなら自分でも作れそうで期待に胸が高まります!

AI エージェントを作ってみる

それでは実際に手を動かしてみましょう。ADK には Quickstart という、さくっと始められるお試しセットみたいなものがあるので、こちらをやってみます。AI エージェント開発をやるには、まず何からやればいいか分からなかったので、こういうのがあるとすごく助かるし、最初にやるには最適ですね。

google.github.io

これから Quickstart を進めていきますが、今の私のパソコン (Mac) の状態はこんな感じです。

  • Python の実行環境 : 特に入れていません。
  • Google AI Studio : 登録・ログイン済み。
  • VS Code : インストール済みです。

この状態で、開発環境のセットアップから始めていきます。

ステップ 0. 開発環境のセットアップ

最初に、自分の Mac で AI エージェントが開発ができるように開発環境のセットアップをします。AI 開発でよく使うプログラミング言語Python ですが、PC は買ったままの状態に近かったので、AI 開発で Python が使える状態ではありませんでした。

そこで、Google AI Studio で、Mac でAI 開発を行うための環境セットアップ方法をGemini に質問してみました。

Gemini が詳しく教えてくれた手順に沿って、必要なものをインストールしていきました。全部は書きませんが、主にやったのは次の 4 つです。

  1. Xcode Command Line Tools を入れる : まず、Mac でプログラミングするのに必要な基本的なものを入れました。
  2. Homebrew を入れる : 次に、他の開発ツールを簡単にインストールするための便利なソフト (Homebrew) を入れました。
  3. Python本体を入れる (pyenv経由): そして、今回使う特定のバージョンの Python を、バージョン管理ツール (pyenv) を使ってインストールしました。ちなみに Python のバージョンは 3.11.12 としました。
  4. 仮想環境 venv (作業用の隔離スペース)を作る : 最後に、他のプロジェクトと影響しあわないように、今回の開発専用の仮想環境 (特別なフォルダみたいなもの) を作って、そこで作業するように設定しました。
ステップ 1. ADKのインストール

開発環境のセットアップが完了したので、次にADKをインストールします。ADKのインストールは、Terminal でコマンドを 1 つ実行するだけです。

% pip install google-adk

インストールはこれで終わりです。めっちゃ簡単ですね。

ステップ 2. AI エージェントのプロジェクトの作成

ADK のインストールが完了したら AI エージェントのプロジェクトを作成していきます。

まず、multi_tool_agent という名前のフォルダを作成します。

% mkdir multi_tool_agent/

次に、フォルダの中に __init__.py という名前のファイルを作成します。

% echo "from . import agent" > multi_tool_agent/__init__.py

その次に、同じフォルダに agent.py という名前のファイルを作成します。

% touch multi_tool_agent/agent.py

作成したら、VS Code で agent.py を開いて、以下のコードをコピペします。

import datetime
from zoneinfo import ZoneInfo
from google.adk.agents import Agent

def get_weather(city: str) -> dict:
    """Retrieves the current weather report for a specified city.

    Args:
        city (str): The name of the city for which to retrieve the weather report.

    Returns:
        dict: status and result or error msg.
    """
    if city.lower() == "new york":
        return {
            "status": "success",
            "report": (
                "The weather in New York is sunny with a temperature of 25 degrees"
                " Celsius (77 degrees Fahrenheit)."
            ),
        }
    else:
        return {
            "status": "error",
            "error_message": f"Weather information for '{city}' is not available.",
        }


def get_current_time(city: str) -> dict:
    """Returns the current time in a specified city.

    Args:
        city (str): The name of the city for which to retrieve the current time.

    Returns:
        dict: status and result or error msg.
    """

    if city.lower() == "new york":
        tz_identifier = "America/New_York"
    else:
        return {
            "status": "error",
            "error_message": (
                f"Sorry, I don't have timezone information for {city}."
            ),
        }

    tz = ZoneInfo(tz_identifier)
    now = datetime.datetime.now(tz)
    report = (
        f'The current time in {city} is {now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S %Z%z")}'
    )
    return {"status": "success", "report": report}


root_agent = Agent(
    name="weather_time_agent",
    model="gemini-2.0-flash",
    description=(
        "Agent to answer questions about the time and weather in a city."
    ),
    instruction=(
        "You are a helpful agent who can answer user questions about the time and weather in a city."
    ),
    tools=[get_weather, get_current_time],
)

最後に、同じフォルダ内に .env ファイルを作成します。

% touch multi_tool_agent/.env

これでプロジェクトの作成は終了です。VS Code で見るとこんな感じです。

ステップ 3. model のセットアップ

次に AI エージェントが LLM モデルを使用できるように、API キーを設定します。Google AI Studio と Vertex AI が選べますが、今回は個人利用なので Google AI Studio で API キーを作りたいと思います。

まずは、Google AI Studio の画面上部の Get API Key を押し、さらに API Keys の画面で Create API Key を押します。

次に、Create API Key で Google Cloud の Project を選択し、Create API Key in existing Project を押すと、API キーが発行できます。

API キーは外部に流出させないよう取り扱いに気をつけましょう。

API が発行できたら、VS Code で .env ファイルを開き、以下のコードをコピペします。

GOOGLE_GENAI_USE_VERTEXAI=FALSE
GOOGLE_API_KEY=PASTE_YOUR_ACTUAL_API_KEY_HERE

PASTE_YOUR_ACTUAL_API_KEY_HERE の部分を、先ほど発行した API キーに置き換えます。

これで model のセットアップは完了です。

ステップ 4. AI エージェントを動かしてみる

それでは AI エージェントを動かしてみましょう!

まずは Terminal で以下のコマンドを実行します。

% adk web

次に、ブラウザに http://localhost:8000 と入力します。

画面が現れたら、画面左上のプルダウンで multi_tool_agent を選択します。

実際にエージェントとチャットしてみましょう。

エージェントと会話ができました!ニューヨークの天気と時間を教えてくれるエージェントですね。

まとめ

今回、Agent Development Kit (ADK) を使って、初めての AI エージェント作りに挑戦してみました! 思ったよりもずっと簡単に動かすことができて、正直びっくりです。もっと色々なことができるように、これからはサンプルコードを見たりしながら、さらに学んでいこうと思います。

Veo 2 を体験してみよう

Veo 2 を使いたい

今年の Google の年次基幹イベントの Google Cloud Next 25 では、合計で 229 の項目が発表されたとのことでした。非常に多いですね。今年も AI 関連の発表の多さが印象的でした。

 

cloud.google.com

 

発表の中で、私が特に気になった発表の一つに Veo 2 がありました。Keynote の冒頭のカウントダウンクロックは Veo 2 で作られていたとのことで、これがよくできていて興味を惹かれたというのもあります(下のビデオ参照)が、

 

www.youtube.com

 

Veo 2 の機能の中で特に私が使ってみたいと思った機能は、参照用の画像からビデオを生成する機能(image to video)です。画像が動き出す、あのなんとも不思議な感覚を自ら試したいと思いました。

 

早速、Google Cloud コンソールの Media Studio を覗いてみましたが、Veo 2 は使えるようになっているものの、テキストからビデオを生成する機能 (text to video) のみが解放されており、image to video はありませんでした。残念。。。

Cloud Console の Media Studio の画面では Veo2 を選択できるが text to image のみとなっている

 

Media Studio (Vertex AI)では、image to video など Veo 2 の新機能は、許可された者だけが使える限定アクセスとなっているようです。

cloud.google.com

 

新機能が GA されるまで待つしかないかな、と諦めかけたその時、Google AI Studio の画面を見ると左側の枠に、Video Gen というボタン (?) が表示されていることに気がつきました。Google AI Studio で Veo が使えるようになったんか?と思いボタンを押してみると、Veo でビデオ生成する画面が出てきました!テキストプロンプトと実行ボタンの間に画像を参照するボタンもあり、使いたかった image to video もどうやら使えそうです。

Google AI Studio の Video Gen の画面

Veo 2 の image to video を試す

ということで、Veo 2 のimage to video を試してみました。

まずはプロンプトにイメージを追加します。今回はサンプルギャラリーから列車の画像選びました。次に、テキストプロンプトに "A train is running on the tracks" (列車が線路の上を走っている)と入力しました。最後に Run ボタンを押して生成です。実行してから大体 50 秒ぐらい待つと動画が生成されました。

 

Veo2 で動画を生成してみた

列車がゆっくりと線路の上を走る動画が生成できました!

 

注意点としては、1日に生成できる回数が決まっているらしく、数回生成すると、今日は上限に達したから明日やってくれ、みたいなエラーメッセージが出ました。

 

生成回数が上限に達したことを知らせるメッセージ

 

ちなみに、2025年4月15日のディベロッパー向けのGoogleの公式のブログによると、Veo 2 は Google AI Studio でお試しで使えるようになったとのことです。一方、Gemini API での使用は有料で、1 回につき 10 ドル(約 1,500 円)くらいかかるようです。高額課金に注意ですね・・・。

developers.googleblog.com

 

まとめ

Google AI Studio で Veo 2 を体験できました。生成結果については今後に期待する面もあるかと思いますが、 Google へのフィードバックができますので、Google AI Studio での体験とフィードバックを通じて、みんなで製品をよりよくしていきましょう。

Gemini 2.5 Flash をお試し

Google Cloud Next 25 が開催されてから間もないですが、Gemini 2.5 FlashGoogle AI Studio および Vertex AI 経由でプレビュー版として利用できるようになりました!

このモデルは 2.0 Flash の速度を基盤としながらも、推論機能が向上し、コスト効率にも重点を置いているとのことです。

主な特徴は以下です。

• ハイブリッド推論:Gemini 2.5 Flashは、ハイブリッド推論モデルであり、開発者は思考 (thinking) のオン/オフを切り替えることができます。

・複雑な推論に優れる:複雑で複数ステップのタスクでは、思考 (thinking) によって回答の精度が向上します。

・調整可能な思考予算 (thinking budget) :思考予算 (thinking budget) を設定することで、品質、コスト、レイテンシの適切なトレードオフを見つけることができます。必要な場合にのみ推論機能の料金を支払うことができます。

詳細はこちらからどうぞ。

developers.googleblog.com

 

それでは実際に触ってみたいと思います。今回は Google AI Studio から確認します。Chat を開き、モデルの選択をすると、Gemini 2.5 Flash(04-17バージョン) が出てきました!

Google AI Studio のChatプロンプトでモデルを選択する画面

Thinking と Non-thinking で Output の価格が異なるみたいです。

Thinkingと Non-thinking の設定、Thinking budget の設定は画面右側のトグルスイッチで切り替えることができました。

Thinkingに関する設定はここでするみたいです

それではお試しで動かしてみます。Thinking mode をオン、Thinking budgetをオンとして、プロンプトに ”nの2乗が偶数であるとき、nも偶数であることを証明してください。"とプロンプトに入力し、実行しました。

するとGemini 2.5 Flash からは以下のような回答が返ってきました。長いので途中省略しますが、背理法と対偶による証明を回答してくれました。思考時間は5.0秒、回答までの時間は10.6秒でした。

Gemini Flash 2.5の回答(1)

Gemini Flash 2.5の回答(2)

ちなみに同じ質問をGemini 2.5 Pro Previewで実行してみたところ、思考時間は11.0秒、回答までの時間は14.6秒となり、Gemini 2.5 Flash の方が回答までの時間が早かったです。

 

Gemini 2.5 Flash は現在プレビュー版とのことですので、興味のある方はお試しください。

Cloud Investigations とは何なのか調べてみた

今年もラスベガスで、Google Cloud Next 25 が開催されました。私はオンラインでの参加ということで、Opening Keynote および Developer Keynote を視聴しました。Keynoteでは、AIに関するたくさんの新機能が発表されており、映像からもMandalay Bayの会場の熱気が伝わってきました。

個人的には vertex AI の generative media models や Sphereで上映されるオズの魔法使いのトピックに興味が湧いた一方で、Developer Keynoteのデモの中で気になる機能がありました。Cloud Investigations です。

Devlopeer Keynote で、Agentspace のプレゼンターの方がデモを実施するのですが、Agentのバグによってデモが中断してしまいます。その時に Cloud Investigasions を使って鮮やかにトラブルシューティングをしていました。Cloud Loggingのエラー箇所から Cloud Investigationsを起動してレポートを作成し、エラー原因の特定とデバッグをしていました。

Developer Keynoteの27:42あたりから見ることができます。

www.youtube.com

 

Cloud Investigations についてもう少し調べたいと思って検索したところ、Google Cloud の公式ドキュメントが存在しましたので紹介したいと思います。

公式ドキュメントでは、Cloud Assist Investigations という名称で、Gemini Cloud Assistに含まれる機能のようです。

ざっくりとしたイメージとしては、トラブルシューティングをサポートしてくれるツールで、

・ログメッセージやマネージドサービス(GKEやDataprocなど)などから調査を開始できる。

・調査では、根本原因の特定と問題の解決に役立つトラブルシューティング手順や修正方法が提示される。

・追加のサポートが必要な場合は、調査内容をGoogle Cloud サポートケースに転送できる。

とのことです。

 

得られるメリットとしては、トラブルが解決するまでの時間の短縮と労力を最小限に抑えられる、とのことで、大変気になる機能です。

現在はプレビューであり、実際に使ってみるには Gemini Cloud Assist Trusted Tester プログラムに参加が必要とのことで、使えるようになる日が来るのが楽しみです。

 

cloud.google.com

 

今回は、Cloud Investigations について調べてみました。トラブルシューティングが捗るかも・・・、ということで機会ありましたら試してみたいと思います。

 

cloud.google.com

Google Cloud 認定 Professional Data Engineer 試験の振り返り 24

こんにちは。2024年も残りわずかとなりましたが、みなさまどのようにお過ごしでしょうか。私は今年の試験の受け納めということで、更新期限の迫ったGoogle Cloud 認定 Professional Data Engineer 試験(PDE)を年末に受験してきました。テストセンターは、私を含めた駆け込み受験の人たちで大混雑でした。。

PDEは今回で3期目(2回目の更新)となりました。昨年から今年にかけて試験内容が更新された影響なのか、過去に受けた試験と比べて難しくなったと感じました。今回は年末の駆け込み受験で準備期間が短かかったこともあり、受験前にもうちょっとここを知っておきたかったなあ、という点もありました。

そこで2024年最後の投稿は、Professional Data Engineer 試験の振り返りということで、やってみてよかったこと、やっておけばよかったことを振り返りたいと思います。

 

やってみてよかったこと

受験対策ブログの確認

試験の出題範囲を把握するためyutakonさんの受験対策ブログを確認しました。

https://qiita.com/yutakon/items/8907d4293c2b5c74505f

最新の試験対策に合わせた Google Cloud のマネージドサービスについての解説が参考になりました。前回受験時の記事もあり、こちらも参考になりました。

https://qiita.com/yutakon/items/ed17e51586a1796f4bbf

Google Cloud Skills Boost のコース

試験の出題範囲に対する自分の知識の定着度合いをチェックするために、Google Cloud Skills Boost の Preparing for Your Professional Data Engineer Journey というコースを確認しました。

https://www.cloudskillsboost.google/course_templates/72

コース全体はボリュームがあるため、学習計画のリソースというドキュメントの診断問題をざっと解き、間違えたところについては対象のドキュメントを読む、というやり方で自分の知識を確認しました。(ちなみに私が確認した時点では、日本語版は問題のみ、英語版は問題と解答があるという感じだったので、この点は注意が必要です。)

 

やっておけばよかったこと

マネージドサービスの更なる理解

試験では当然ながらマネージドサービスの知識が必要になりますが、〇〇のサービスについてもう少しドキュメントを読み込んでおけばよかったなあ、とか、〇〇の言葉の意味をもう少し調べとけばよかったなあ、と試験後に思いました。

どんな対策をしておけばよかったか、試験後に改めて試験対策ブログを眺めていたところ、ラリオス川口さんの試験直前対策コラムが目に留まりました。

https://cloud-ace.jp/column/detail473/

このコラムには、ここは事前に知っておきたかった!と思えるポイントがてんこ盛りで、今後試験を受ける予定のある方はこのコラムを読んでから試験を受けることをおすすめします。

 

まとめ

Professional Data Engineer 試験を振り返り、やっておいてよかったこと、やっておけばよかったことをまとめました。これから受験される方の参考になれば幸いです。

今年も1年ありがとうございました!みなさま良いお年を。

Google Cloud 認定資格ベータ版受験記2024

Google Cloud 認定試験では、時々ベータ版試験が登場します。2024年は10月以降に3つのベータ版が登場しました。実際に受験してきましたので紹介したいと思います。

 

ベータ版試験について

ベータ版試験は、正式版が公開される前の最終調整(フィールドテスト)みたいな位置付けです。

ベータ版試験の特徴とメリット

ベータ版試験の特徴ですが、

  • 試験内容:正式版とほぼ同じだが、一部変更される可能性がある。
  • 受験料:正式版と比べてディスカウントされる。
  • 受験回数:1回のみ
  • 合否発表:正式版よりも時間がかかる。数週間後に発表されることが多い。
  • フィードバック:試験に関する意見・感想を任意で回答する。
  • 言語:英語のみ

という感じです。また、試験のメリットについては、

  • 早期合格:正式版のリリースと同時に合格となる。
  • 再試験ポリシーに含まれない:不合格の場合でも再試験ポリシーに含まれず、試験内容に慣れることができる。
  • 試験開発への貢献:フィードバックを通じて、試験の改善に貢献できる。

といったものになります。

ちなみに以前はベータ版に合格するとSwag(サイドにBeta Testerと刺繍された帽子)が貰えましたが、最近は見かけなくなりました。

ベータ版試験の学習方法

ベータ版試験は具体的な情報が限られていますが、一般的な試験対策と同様に以下の方法で学習を進めることができます。

  • 試験ガイドに記載されている範囲を把握し、重点的に学習する。
  • 試験ガイドに記載されているキーワードをもとに、サービスや機能について公式ドキュメントを参照して詳細な情報を得る。
  • 実機やラボ(Google Cloud Skills Boost)で実際に手を動かす。

 

ベータ版受験の感想

今回は、以下の3つのベータ版試験を受験しました。

  • Associate Google Workspace Administrator
  • Professional Cloud Architect Renewal
  • Associate Data Practitioner

ベータ版試験は正式版の試験と比べてボリュームが多く、今回は1試験あたりの試験時間が2時間30分〜3時間、問題数が72〜73問となっていました。スケジュールの都合から、Professional Cloud Architect RenewalとAssociate Data Practitionerを同日に受験したのですが、休日の朝起きてテストセンターに向かい、2つ目を終えてテストセンターを出た時には陽が傾いていたのが印象的でした・・・。

またベータ版試験は、試験の中で似たような問いが複数回出てくるイメージがあり、どっかで見かけたなという気持ちになります。同日に受けた2つの試験の間でも似たような問いを見かけた印象がありましたので、最新の試験に共通するトピックがあるのかもしれません。

次に各試験についての情報です。

Associate Google Workspace Administrator

Associate Google Workspace Administrator は、Google Workspace 環境の日常的な管理を担当し、チームメンバーが安全かつ効果的に共同作業やコミュニケーションを行えるよう支援します。主な職務には、ユーザー アカウントの管理、Gmail やドライブなどのコア Workspace サービスの設定、Workspace データのセキュリティとコンプライアンスの確保などがあります。また、組織部門の設定、グループの管理、共有権限の設定、一般的な問題のトラブルシューティングなどのタスクも管理します。

https://cloud.google.com/certification/associate-google-workspace-administrator

正式版の試験は2025年1月にオープン予定です。

Professional Google Workspace Administratorと学習範囲はほぼ同じ(で広い)印象ですが、Associateレベルということで簡単バージョンという印象でした。試験ガイドに記載されているキーワードのそれぞれの意味を押さえておくのが良さそうです。

試験対策についてはこちらのブログ記事が参考になると思います。

https://blog.g-gen.co.jp/entry/associate-google-workspace-administrator-exam

 

Professional Cloud Architect Renewal

この試験は、Generative AI のケーススタディに重点を置いており、Professional Cloud Architectは Google Cloud テクノロジーの最新情報を把握し、Gen AI を使用してビジネス上の課題に対処する能力を披露できます。

https://services.google.com/fh/files/misc/professional_cloud_architect_renewal_exam_guide_eng.pdf

https://services.google.com/fh/files/misc/cymbal_retail_case_study_english.pdf

https://services.google.com/fh/files/misc/altostrat_media_case_study_english.pdf

ケーススタディからの問題となるため、ケーススタディを事前によく読んでおく事をお勧めします。またAIに関する内容が多く、今までのPCAと比べて難しい印象でした。

 

Associate Data Practitioner

Associate Data Practitionerは、Google Cloud 上のデータの保護と管理を担当します。この担当者は、データの取り込み、変換、パイプライン管理、分析、機械学習、可視化などのタスクに Google Cloud データ サービスを使用した経験があります。候補者は、サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム (PaaS)、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) などのクラウド コンピューティングの概念について基本的な知識を持っています。

https://cloud.google.com/learn/certification/data-practitioner

試験は20251月にオープン予定です。

データ分析やデータパイプラインなどで利用するプロダクトについての知識を習得しておく必要があると思いました。LookerやDataformについても知っておいた方が良いかなという印象です。

試験対策についてはこちらのブログ記事を参考にどうぞ。

https://blog.g-gen.co.jp/entry/associate-data-practitioner-exam

 

まとめ

以上、2024年に受験したベータ版試験の紹介でした。Associateレベルをの受験を考えている方、2025年に向けて全冠チャレンジされる方など、これから受験される方の参考になれば幸いです。

 

Associate Google Workspace Administratorのベータ版試験がリリースされました(2024年10月)

Google Workspaceの専門知識を高めて、新しい認定試験の最終リリースに貢献する機会がやってきました!Google Workspace 管理者向けのアソシエイト レベルの認定資格ベータ版が開始されています。

試験はこちらのページから登録できます。(2024年10月現在、ベータ版を案内するページです)

cloud.google.com

試験ガイドは以下のページです。

https://services.google.com/fh/files/misc/associate_google_workspace_administrator_exam_guide_english.pdf

試験範囲は、

となっています。

また、模擬試験(Sample Questions)も用意されています。

forms.gle

模擬試験を見る限りでは、Adminコンソールでの具体的な設定方法など、実務的な内容を問われる可能性がありますので、Google Workspace Admin Helpを読んだり、実際の画面に慣れておくと効果的もしれません。

登録期間は 2024 年 10 月 1 日に開始され、テストは 2024 年 10 月 22 日から 2024 年 11 月 12 日まで実施される予定、英語のみで受験可能とのことです。